悩みコラム

腰痛

中学生女子に増えている「腰痛」ってなに?原因と対策をやさしく解説

2025.04.18

2025.04.18

腰を抑える女性

「中学生の娘が腰が痛いと言っているけど、そんなことってあるの?」と感じた保護者の方はいませんか?

 
実は今、中学生の腰痛が増えてきているというデータがあります。見過ごしてしまうと将来の体にも影響が出ることがあります。

 

この記事では、腰痛の原因や予防法について、家庭でできることも交えながら、やさしく解説していきます。

 

森下一美プロフィール柔道整復師、鍼灸師の国家資格保有

 

なぜ中学生でも腰痛になるの?

そもそも中学生というとまだ成長期。

体も柔らかく、元気いっぱいなイメージですが、実は学校生活や部活動、スマホの使いすぎなどが原因で腰に負担がかかっていることが多いのです。

 

実際のデータでは

日本理学療法学会の調査によると、中学生の約29%がこれまでに腰痛を経験し、13%は現在も腰に痛みを感じているという結果が出ています。

 
さらに、約4割の子が繰り返し腰痛を感じていることもわかっています。

なお「腰椎分離症」に限って見るとデータがあり、男性の方が患者数は多いですが、女性も一定数存在していることから女子でも腰になんらかの疾患を抱えることはあり得ます。

 

腰痛患者における分離患者の割合は,男性は 51.7%,女性は 26.0% で,中学生と高校生の年代では,男子が 女子と比較し有意に多かった 日本理学療法学術大会(J-STAGE)https://www.jstage.jst.go.jp/article/cjpt/2003/0/2003_0_C0733/_article/-char/ja/?utm_source=chatgpt.com

 

 

腰痛の原因はこんなところに

長時間の座り姿勢

授業中の座り方や、帰ってからのスマホやゲーム。ついつい前かがみの姿勢が続いてしまい、腰に負担がかかることがあります。

特に猫背の姿勢は、背中から腰までのバランスを崩し、筋肉がうまく働かなくなります。

 

スマホやタブレットの使いすぎ

うつむいた姿勢でのスマホは、腰だけでなく首や背中にも悪影響。
最近では「スマホ猫背」と呼ばれるような新しい問題も出てきています。

 

部活動での無理な動き

運動部に所属している子は、繰り返しのジャンプや回旋(ひねり)動作などで、腰に負担がかかっていることも。特にバレーボールやバスケ、ダンスは要注意です。

場合によっては「腰椎分離症(ようついぶんりしょう)」という疲労骨折の一種になることもあるので、痛みが長引く場合は必ず病院で診てもらうことが大切です。

 

詳しくは:武田クリニックの解説ページ

https://takedaclinic.jp/2023/04/10/lumbar-spondylosis/?utm_source=chatgpt.com

 

生理の影響

女の子に特有の理由として、生理のタイミングで腰が痛くなるケースもあります。
これは「関連痛(かんれんつう)」といって、実際には子宮などからの痛みが、腰に感じられている状態です。

 

家庭でできる予防とケア

「うちの子、最近腰が痛いって言ってるけど…」というときに、すぐできる対処法もあります。

 

 姿勢を見直そう

まずは正しい姿勢を意識してもらうことから。
椅子に座るときは、背中を丸めすぎないようにして、お尻をしっかり椅子の奥に当てて座るのがポイントです。 

 軽いストレッチや体操

毎日数分でもいいので、腰やもも裏をほぐすストレッチを取り入れると予防に効果的です。
また、筋肉のバランスを整える体幹トレーニングもおすすめです。

 

睡眠と食事を整える

意外と大事なのが生活リズムです。
睡眠不足や朝ごはんを抜くことが、腰痛と関係することがあるという研究もあります。

 

▶引用元:J-STAGEの調査結果 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjpm/51/9/51_KJ00007405703/_pdf/-char/ja?utm_source=chatgpt.com

 

 

痛みが強い・続くときは迷わず病院へ

「ただの成長痛だろう」「疲れがたまっただけかな?」と見過ごしてしまいがちですが、痛みが2日以上続く場合や、日常生活に支障があるときは専門の病院を受診しましょう

 

早めに診てもらえば、悪化を防ぐことができ、部活動や勉強への影響も少なく済みます。

 

 

子どもの「腰が痛い」は見逃さないで

中学生女子の腰痛は、誰にでも起こり得るもの。
ちょっとした生活習慣の見直しや、親子の会話が大きな助けになります。

 

子どもが「腰が痛い」と言ったときは、まずは話をよく聞いて、生活を一緒に見直すところから始めてみてください。


成長期の大切な体を、一緒に守ってあげましょう。