野球肘の痛みで悩んでいる方は非常に多いですが、実は「野球肘」といっても種類は様々です。
知識のある方は「関節ネズミ」という言葉を耳にしたことがあると思いますが、これも実は野球肘の一種。
今回はいわゆる「関節ネズミ」について、詳しく見ていきましょう。
なお、肘の内側が気になる方は、併せてこちらもご覧ください。
関節ネズミとは
関節ネズミとは、「肘関節内遊離体」のことです。
離断性骨軟骨炎、肘頭骨棘骨折、軟骨損傷などによりできた軟骨や骨が遊離体となり、関節の間に挟まります。
挟まっているとロッキングという可動域制限が強く出て痛みが出ますが、挟まっていないと痛みは出ないことも多い特殊な症状です。
骨が完成していない成長段階の子どもに多く見られますが、成人期以降でも発生することがあります。
対処法
対処法は大きく2つあり、手術か保存療法かを選択します。
痛みや症状の度合いよって、どちらの方法を選ぶかが分かれますが、病院や先生によっても判断が異なることがあります。
それぞれのメリットデメリットを以下に書きます。
自分の状態や将来の展望なども踏まえて、どちらが良いかを考えてみてください。
①手術
関節鏡を用いて遊離体(ネズミ)を除去します。
早期で発見できれば、摘出後1〜2ヶ月程で競技への復帰が可能です。
内視鏡は低侵襲(少ない切開で行える)で行えるため早期復帰しやすいのが特徴で、近年は手術を選択する選手も多くなってきました。
まずは専門家に肘の状態を診てもらい、年齢や競技レベルなども考慮してから手術を決めましょう。
(年齢が高い選手ほど組織修復のスピードも遅くなるため、復帰までの時間は長くなる傾向があります)
②保存療法
手術をせず、症状の改善を目指します。
痛みがあれば投球を制限し、胸郭や肩甲骨、股関節周りの柔軟性を出していくトレーニングにより投球動作の改善を図ります。
大きな関節や筋肉を使い、肘に負担のかからない投げ方を身につけるだけでも痛みが大幅に軽減し、強く投げられるようになる選手もいます。(手術を選択したとしても、こういったトレーニングは必要になります)
※症状によっては、競技へ復帰するための方法が、手術に限定される場合もあります。
症状を正確に把握するためにも、痛みや違和感があれば、まずは専門医療機関で診てもらうことをオススメします。
保存療法を選択するにしても、早期発見は重要になってくるわけですね。
まとめ
元中日ドラゴンズの山本昌さんは、いわゆる野球肘で肘の曲げ伸ばしに制限がありながらも、50歳まで現役を続けることができました。
痛みはなかったそうですが、このような肘の状態でも30年以上現役でいられたのは、自分に合った投球動作とケアの方法を見つけ実践できたからではないでしょうか。
身体の状態は人によって違い、最適な対処法は人それぞれです。
もりいち鍼灸接骨院では、独自のメソッドを用いて根本原因を見つけ、一人一人に合ったセルフケアをお伝えしています。
この方針により、多くの方が自分の習慣を変えることに成功し、痛みの起きにくい身体を手にいれています。
以下のページではこれまでの事例も掲載させていただいておりますので、ぜひご覧ください。