痛みコラム

腰痛

腰椎分離症になったスポーツ選手はどうすれば?

2023.03.24

2023.03.24

腰椎の椎弓が折れている図

腰を後ろに反らせたり捻ったりすると、痛くてつらい。

こんな悩みを抱えていませんか。

 

痛みが長く続く場合は腰椎分離症の恐れがあり、これはスポーツ選手に多く見られる症状のひとつです。

 

今回は、スポーツ選手に気をつけてほしい腰椎分離症について説明していきますので、最後までお読みいただき、予防や早期発見、早期復帰にお役立てください。

 

森下一美プロフィール

 

 

腰椎分離症とは

腰椎の椎弓が折れている図

腰椎分離症のイメージ

椎弓という腰椎の後方部分が分離した状態のこと。

椎弓の後方部分は脆く、激しい運動の繰り返しによる疲労骨折が起こることがあります。

 

疲労骨折で亀裂が入り、それが進行すると椎体と椎弓が分離してしまいます。

腰痛が主な症状ですが、お尻やももに痛みを感じることもあります。

 

腰椎分離症とスポーツの関係

先述した通り、腰椎分離症は激しい運動の繰り返しが主な原因として考えられています。

 

その中でも、背中を反らす、腰を捻る、ジャンプ動作などを頻繁に行うスポーツで発症しやすく、骨がまだ弱い成長期の子ども(小中学生)は特に注意が必要です。

 

この時期の子どもで2週間以上腰痛が続く場合は、腰椎分離症の可能性が高いため、医療機関を受診することをおすすめします。

 

スポーツごとの事例

野球

投球や打撃は捻る動作の繰り返しとなるため、胸郭や股関節周りに硬さがある場合は、腰部への負担がさらに大きくなりやすいです。

なお、野球の競技特性として、同一運動の繰り返しが多くなります。

そのため、同一方向の捻転動作が多くなり易く、身体の歪みなどにも注意が必要となります。

 

サッカー

走る動作が多く、足腰に疲労が溜まり、身体の柔軟性が失われやすいスポーツです。

胸郭周りの硬さがあると、スローインで過度に腰を反ってしまったり、股関節周りに硬さがあると、特にキックで腰を捻りすぎてしまったりします。

ヘディングなどのジャンプ動作も、身体の硬さが腰へ悪影響を及ぼす可能性があります。

これらのことから、疲労や身体の硬さを取り除くことはとても重要と言えそうです。

 

 

改善策

医師から運動中止の判断をされた場合は指示に従い、症状が治まるのを待ちましょう。

症状の回復が見られた段階でリハビリを開始しますが、特に行っておきたいのが胸郭と股関節のストレッチです。

 

なぜなら、人間の関節には大きな動きに適している関節と、そうではない関節があるからです。

 

胸郭や股関節は大きな動きに適した関節(モビリティ関節)であり、運動の際にダイナミックに動かせるようにしておくことが望ましく、柔軟性が必要となります。

 

一方、腰部はスタビリティ関節で、モビリティ関節と比べると動きの幅に制限があり、大きく動かすことには向いていません。

 

そのため、身体を捻ったり、反らしたり、ジャンプする動きのメインは胸郭や股関節である必要があり、腰部はそれに従って動かされる程度でなければならないのです。

 

これはパフォーマンスアップを目指す方にも同様のことが言えますので、胸郭と股関節の柔軟性維持、腰部の安定性向上は意識しましょう。

 

>>腰椎分離症の改善トレーニング紹介

 

 

まとめ

ここまで腰椎分離症について見てきました。

ハードなトレーニングや練習が一因であることはもちろんですが、身体の動かし方にも原因はあります。

 

今回、野球とサッカーでの事例も紹介したように、競技やポジション、身体の特徴によって原因と改善策も少し異なります。

 

その一方、身体的特徴という面では共通点があり、腰痛の方のほとんどは胸郭や股関節に柔軟性がなく、腰部中心に身体を動かしてしまっています。

 

これにより、腰部が運動のストレスに耐え切れず、腰椎分離症に至ってしまうのです。

 

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